2022/02/16 05:16

和食の道具として、食べるにも調理するにも必要なものといえば、「箸」です。古代、日本人は手食で食べていましたが、天皇が神事を行う際、神へ食べ物を捧げるのに直に手で触れないようにするために、最初の箸が登場したと言われています。それは折箸で、トングのような形状でした。
神と人をつなぐ道具として誕生した箸を食事に使い始めたのは、遣隋使小野妹子一行が持ち帰った箸を、朝廷の供宴に採用した聖徳太子とされています。
その中国では、食事は箸だけでなく、汁物を食べる際などにレンゲを用います。韓国やアジアの国々をみても匙を併用し、箸のみで食事をする作法が確立しているのは、日本だけのようです。夫婦箸(めおとばし)のように、家庭では家族ひとり一人が自分専用の箸を使い、取り皿に取る取り箸と食べ箸を分けて使用しますが、これも日本独特の習慣と言われています。